ぼくたちの旅ろく

旅や冒険を通して、思ったこと感じたことを素直にお届けするのがこの”ぼくたちの旅ろく”です。あなたの旅や冒険へ出るための”きっかけ”になればと思います。

中間地点へ到着 北極冒険 vol.9

2019年4月16日(10日目)
天気:くもり  気温:−14℃  少し向かい風  距離:25.5km



間地点の村「キキク」までは、毎日みている地図から、あと25〜26キロメートルほどの位置まで進んできたことを知っていました。


これまで工程で、1日に進められていた距離は20キロメートル前後。
ここ数日続く天候の良さから、足元の雪も締まりを失い、ソリとつながったハーネスからも重さを感じている状態だったので、村にたどり着けないと見込んでいましたが、結果としては、到着することができました。



中間スパート??
に大量の豆ができているメンバーや、ここまでの疲労が溜まっているメンバーでしたが、村が見え始めたゴールまで4〜5キロ地点からは、島近く特有の無数の凹凸もあったにもかかわらず、ペースは自然とこれまで冒険の中で一番あがり。
自然とお互いがお互いを応援するような声が聞こえ、良い雰囲気となっていました。


最後の1時間弱は、見えている村に向かって吸い込まれるように夢中に歩き、一気に歩き切りました。


なんとか、全員がここまで大きな怪我もなく、リタイアする人もいないなかの中間地点の村へ到着でき、ひとまずホッとしたのを覚えています。



極地のスーパーは天国かもしれない?
地の村にもスーパーがあります。
自分たちは、ソリを凍った海の上においたまま、まずはスーパーに走りました。
スーパーにつくと、通常は閉店する時間なのですが、特別に少しだけ延長してくれるとのことだったので、僕はコッスーと一緒に、ドーナッツや、ポテトチップス、マシュマロ、ペプシなどを購入しました。


お店の人の迷惑にならないように、短時間で買い物を済ませ、
自分たちのこの日の拠点となる、村のすぐ近く海に戻り、テントを立てると。。
まずは買ったばかりの菓子パンを食べました。


これがめちゃくちゃウマイ!!
ここまで、日本から持ってきたお菓子などは食べていましたが、砂糖たっぷりのドーナッツを食べた瞬間。
こんなに、ドーナッツって美味しかったんだなぁ〜〜と感動!!


続け様に「プシュッ!」とペプシを開け、一口飲むと、これにもまた感動!
これまで、10日あまり、氷を溶かしたお湯をメインに飲んでいたので甘みを感じる飲み物が体に染みたのを覚えています。




・「キキク」・・・中間地点の村”キキクタルジュアク ”のこと
・コッスー ・・・僕のバディー


        ▼キキクタルジュアクの村側から拠点の海を望む▼

移動は手段か目的か? 北極冒険 vol.8

こんにちは。
モトロクのじゅーすです。


2019年4月15日(9日目)
天気:晴  気温:−11℃  無風  距離:18km


ングニタングを出発し、はや9日目。
この日は、ひたすらに海上を歩いた1日でした。


途中、アザラシの呼吸穴や、遠くに狐らしき動物をみたりと、極地でも生き物の気配を感
じながら歩ける1日でしたが、
ここ最近の予想以上の奇跡的な晴天続きにより、地面の氷が緩くなり、ソリを引くハーネスからかなりの重さを感じます。


序盤は、ペースを保って隊についていけたが、ここまでの疲れが溜まっていたのか、後半は若干遅れるようになってしまいました。。


頭の片隅でセーブしようとする気持ちがどこかにあるのだろうか。。
など、自分の考えていることと、体の状態を考えるきっかけになりました。



こまでの疲労
もちろん。今までの人生で、気温がずっとマイナスの環境を一週間以上歩くという経験は今までしたこともないし、自分が思っている以上に疲労が溜まっているようでした。


思い返すと、2日前くらいから、お腹の調子がよくない気もしていた。
北極冒険では、毎日20km余り歩くのと、低温の環境からカロリーを消費するため、1日で約4000キロカロリー程度を摂取するため、大量のバターを夜ご飯に入れます。


どうもバターをドバドバ入れた札幌ラーメンを2玉食べると胃がムカムカしている。。




た、気持ちの面では。。
当時「パング」から「キキク」 へ向かい歩いてきたが、本当のゴール目標である、『クライドリバー』まで氷も状況から、向かうことができない可能性もあるという状況で歩いていた。
もしかしたら、「キキク」 で終了かもしれない。。
いや、「キキク」で踵を返し、パングニタングへ戻る往復コースなのか?


荻田さんは、「イカルイット」の最終準備日に、こう言いました。
「移動は目的なのか手段なのか」これを自分たちメンバーに問いてきました。


自分個人的には、元も子もないが、移動は手段であり目的であるという考えに至っていました。
イメージ的には、車で目的地に向かって走っていると、走った道筋に点々が残るかと思いますが、その点々が一つ一つを北極に残すことが自分の目標であり、また最終地点の大きなフラッグたどり着くための手段でもあると考えていたからです。


しかし、自分が思っていたゴールはやはり『クライドリバー』であり、それは最後まで可能性を捨てたくないものでした。


「キキク」が近づき、テント内での自分のバディーであるコッスーとの会話もそんな話題が多くなっていました。



パング・・・パングニタング
キキク・・・キキクタルジュアク 


▼アザラシの呼吸穴
アザラシは、海が凍る時期にいくつもの穴を行き来し、自分呼吸するための空間を確保するようです。
現在歩行している地域は氷の厚さが1〜2m程度あったのですが、十数個の穴を、定期的に回ることで、しっかりとキープをするのはスゴイと思いませんか??

北極熊の痕跡 北極冒険 vol.7 

こんにちは!
モトロクのじゅんやです!!


4月14日
この日、相変わらず、天気の良い日が続いている。
日中の気温は−6度こちらも、歩いている私たちにとっては暖かい むしろ暑いくらいの気温だ。


北極熊の痕跡
北極の地に来てはじめて、北極熊の痕跡を発見した。
実はこの2.3日でウサギや狐の足跡を数回目にしていたが、今日の足跡は比べ物にならないほど大きかった。


北極熊の足跡に手を大きく広げてあてがったが、人間の手よりも、ひとまわりも、ふたまわりも大きい。
定規で測ったわけではないが、感覚的には25cmほど。そして、人間の足跡とは全く違い、まん丸に近い形だ。


そして、大人の熊だとオスで400kgメスで200kgほどにまでなる体重を感じるように、10センチほど踏み固められた足跡が、陸地側から海の沖の方向までまっすぐ伸びていた。


この時期は、子育てシーズンらしく、今回の足跡も近くに小さい足跡もあったことから、メスの親グマと子どものクマの2頭で狩に向かっているようだ。。。
北極熊はこの時期アザラシを主食としているため、分厚く凍った氷が途切れる1〜20km沖まで歩いたり、岬部で氷の割れ目があり、アザラシが棲息や子育てをしているところを狙っている。


我々人間と比べると、食う側も食われる側も非常に過酷な環境を綱渡りしながら生きているがわかる。


いかに、自分たちが恵まれた環境で生きて来たのか。。。
作物を育て、家畜を飼い、漁をするといった過程を感じることなく、食材がスーパーにならんでいることは素晴らしいことだけど、たまには考える必要があるのかなと感じました。


就寝時の恐怖が増す
出る出ると言われていた北極熊。
クマに襲われないための行動や、いざという時の対処はレクチャーを受け、構えているつもりだが、足跡を見ると気持ちがもう一段階引き締まる感じがした。
このところ、北極の環境にも慣れ、良くも悪くもしっかり寝ている感じがしていて、少々不安がある。


寝ている時の気付く方法はというと、テント周りに立てるバリケードが倒れる音、次に近づいてくる足音、最後にテントを突つかれた音 で起きる必要がある。


バリケードといっても、日中我々が歩く時に履いているスキー板をヘントを囲うように立てロープを渡しただけのものだ。


そんなものでも、見たことがない熊からすると足を止めて様子を見る必要のあるものとなり、その時間を稼げるのが非常に大きい。
もしかしたらこれで帰ってくれることさえあるようだ。



この日は、北極熊の痕跡を見ることによって、北極という土地らしさに対する
高揚感恐怖を感じる1日でした。


         ▼テントとそれを囲うバリケード(別日)▼