ぼくたちの旅ろく

旅や冒険を通して、思ったこと感じたことを素直にお届けするのがこの”ぼくたちの旅ろく”です。あなたの旅や冒険へ出るための”きっかけ”になればと思います。

北極冒険 vol.3

こんにちは!モトロクのじゅんやです。


この日は冒険3日目
この日も気温はマイナス11度と想定していた気温と比べるとかなり暖かく、また天気にも恵まれているので、かなり動きやすい天候です。


極地での川上り
この日のルートは夏の時期には川になるような(北極といえど、年中氷があるのは氷河などの一部の地域で、特に人が住んでいるような村周辺は夏には溶け、村の人々は主に漁などをして暮らしている🎣)場所を遡上していく形だったので、
ゴツゴツした岩があったり、場所によってはかなり勾配のきつい場所が何度もあり、
その度、後ろの人がソリをあげるのを手伝ってあげる場面が多かったです。


ですが、自分的に一番キツかったのは、緩やかな登り坂です。
この時歩いていた場所は基本的に、毎日強風が吹き荒れる場所で、雪が積もってもすぐに風で流され、足元にある川のツルツルに凍った水面が露出してしまうのです。
幸運なことに、我々が通過する間は強風が吹くことはありませんでしたが、この辺りの氷はうっすらと灰色がかっており、通常時に強い風で削り取られた岩の粒が、表面を覆っていることから、日頃いかに風が強いかが伺えました。


そのようなツルツルな足元だともちろんグリップが効かず、体幹のない僕は転びまくりでした笑



そんな、悪路を抜けた後自分たちのご褒美となりうる絶景が。。
『トールピーク』というクライミング界で名のしれている断崖絶壁が現れました。
言葉で表現するのは正直むずかしく、現地に言った人にしか伝わらない美しさがあると思っています。




北極での水の確保💧
北極では、飲み水を多くは持ち歩きません。
山などへいく時は、大量な水を必要とします。まして、今回のように30日間もの長い期間山に篭ろうとすると、運ぶ水の重さだけでも果てしない量になってしまいます。
北極のいいところは、至る所で水が確保できるところです。
毎朝、ご飯を食べ終えたのち、その日の行動する分の水約1リットルを沸かしてお湯の状態にして持ち歩きます。
休憩時に飲むと体が暖まりますし、周りにいくらでも雪のある環境なのであったかい分には冷ませば良いだけだからです。
しかし、この時歩いていた地域は、前述の通り、砂が多く混ざっており、雪を溶かしたやかんから水筒へ移す際に慎重に行わないと、砂が多く混ざり、ジャリっとした飲み口に。。。


まぁーこのような体験も北極ならではと思い楽しむことが大切ですw


そして、夜には『山々』と『オーロラ』がコラボレーションもう2度と見れないかもしれない光景でしたが、当時は寒すぎて、この絶景に浸ることがなかったことを少し後悔していたりします。。。

北極冒険 vol.2 

こんにちは!モトロクのじゅんやです。


4月7日☀️
前日同様、天候に恵まれ最高気温はマイナス6度とかなり高め。
前日にゴールのClyde River(クライドリバー)に向けて歩き出しましたが、最終的にこの日は、19km進みました。


マイナス6度は寒冷地トレーニングで慣れた体の自分らには暖かい!!
とは言っても朝晩の冷え込みは強くマイナス20度は下回っていました。🌡


想定することの大切さ🎿
この日の工程の前半にあるメンバーの装備のスキーのパーツにあるゴム部分が割れ、一時修理のため立ち止まりましたが、これはこの朝晩の冷え込みによるものが大きな要因となっていました。


低い気温の中歩くことで、普通なら伸縮性を持っているゴム部が硬くなり、パキッと割れてしまうのです。
しかしここは、物資も限られた極地なので、自分たちで直す必要があります。
この世界では、自分が持ってきた装備のことを熟知し、何か起こった際には全て自分で解決できる力がなくてはいけません。
それを行うには、事前にどこが壊れそうなのか。。壊れたらどうな対処をするのか想定、シミュレーションすることが大切です。


幸い、今回壊れたゴム部は、自分らが壊れるかもしれないと懸念していた場所であったので、ものの10分で応急処置を終え歩き始めることができました。


しかし、歩き始めて1日。。おそらく約10キロ地点で装備に不備が起きたことは自分たちをびびらすには十分だったのを覚えています。


            ▼一列に隊を組み歩くメンバー▼


極地での集団移動
歩き始めて1日。
まだ、確立された隊列などはなく、休憩ごとにメンバーが入れ替わり立ち代わりをしながら歩いていました。


とは言え、行うことはシンプルで。「前の人についていく!」この段階では、これをするだけで良かったのです。


読んでくださっている人の中には、山などを登ったりしたことがある人やそんな映像を見たことがある人が多いと思いますが、たいてい(99%)の場合一列に隊を組んでいるかと思います。
当たり前と思うかもしれませんが、これは動物的な習性からくるものです。


アリの行列やカルガモの親子などを想像するとわかりやすいかもしれません。。
リーダーを先頭に、一列で歩くことで、後ろの者はそもそも一人が通った場所を通れるのでリスク回避を行うことができ、体力を無駄に使うことがなくなります。


そもそも、ここで前を歩く人間は自分より知識があってより有益な道を選ぶことができる人間に限ります。(安全な道ではない。会社などでは一概にリスクを避けることだけがが全てではないと自分は思うからです。)
※自分より有益な道を選べない者についていく人間はなかなかいないと思います。


このような理由から、今回「荻田氏」という絶対的な人間がいることで、よく言えば安全に悪く言えば受け身的に冒険をすることができるのです。



追記)
極地でいう「有益な道」は、より「安全な道」だと思ってます。


前回ブログ:北極冒険始動

北極冒険始動 

こんにちは!モトロクのじゅんやです。 本日から、北極冒険再開します。


「北極冒険始動」


2019年4月7日
ようやく、本当のスタート地である「パングニタング」という村に足を踏み入れました。
空港を降り立ったすぐ、自分たちが歩く渓谷が口をあけて待っているのがみえます。


いよいよ、ここまで来たのか。。はじまってしまう そう思いました


       ⬇︎中央部えぐれている部分が我々の進む渓谷の入り口⬇︎

村から見る渓谷の始まり



この計画を知って約1年がたちました。
仕事をやめ、北海道での10日間のトレーニング 日本を出国するまえの1ヶ月間はほとんど準備をしない日はないくらいで作業をし、「オタワ」「トロント」での準備、「イカルイット」での本番さながらのトレーニング。。
本当にいろんなことがあった一年間を過ごし、今ようやくスタート地点に立てました。


しかし、当時は目の前の北極冒険をみていたので、正直ここまでの1年を振り返ったのは途中だったり、帰りだったりします。



「我々の知らないところで。。。」
さて、自分たちが歩くルート600kmの序盤の約200km「パングニタング」〜「キキクタルジュアク 」間の多くは国立公園内であり、そこに足を踏み入れる人は講習を受けなければなりません。


村にある「ビジターセンター」で北極熊(あちらではポーラーベアorポーラーと言います)が出た時の対処や、トイレの仕方・ルールをビデオを交えてレクチャーを受けます。


                ⬇︎周辺の地図⬇︎

冒険前半の200キロ


事例は少ないものの、何年間か単位で北極熊に襲われて、大怪我をする方や中には亡くなる方もいます。。
地球温暖化の影響で、生息域が狭くなり、北極熊は人間を襲う気がなくとも遭遇する確率が上がっているのです
自分たち人間が行っている行動は、実は身近なところよりも先に我々の知らないところで極地などの極端な環境に住んでいる動物や人間に被害を出していると考えると、自業自得ではすまない大変な事態になっているのだなと感じることができました。



極地のなんでも屋
ビジターセンターでの講習を終え、この村に一つのスーパーに向かいます。
北極圏のスーパーは自分たちがよく行くようなスーパーではありません。
簡単に言えば、『なんでも屋』です。


村で、何か物がほしいと思った時に帰る場所は、このスーパー1箇所なので、
食料品はもちろん、家具や、工具、子供用の自転車やテレビ、本当になんでも売っています。
あちらの猟師などの必需品の銃も、もちろん置いてますし、冒険に必要な燃料など、パッと思いつくようなものはほとんど取り扱っています。


そして、何より驚いたのがケンタッキー!!!
こんな、極地にあのカーネルサンダースさんがいるのです!
驚きのまま、お店に入りチキンを食べました。びっくりするほど日本の味と変わらないんです。ケンタッキーの意地と実力に単純に感心しました。



イヌイットの子供たち
その後、いよいよソリをひき村を出ます。
村を出るとすぐに、我々が進むこととなる渓谷から流れてくる凍った川へでます。
この日は、川へでて30分ほどの凍った川でテントを張ることとなりました。


テントを張り終えると、現地の子供たちが遊びに来ていました。
大人数の冒険隊は珍しいのか、気づけば自分たちのテントの中まで遠慮なく入って来ます。
テントの中に入ったと思ったら、「これはなに?」「あれは?」とテントの中のものに興味津々。
そして、自分たちの持っていた、お菓子を見つけた瞬間目の色を変えてねだってきます!
しょうがなく、「みんなでシェアして食べるんだよ〜!」といくつかお菓子をあげると素直にみんなで分け、食べ始めましたが、ものすごく美味しそうに食べる顔をみて癒されました。


その後、「遊ぼう!」とテントの外に出されて行ったのは鬼ごっこ!
と言っても、日本のルールとは少し違い、イヌイットの子供たちの鬼ごっこは手でタッチをするのではなく、相手の足を踏むことでタッチとみなされるようです。
正直、だいぶ白熱しました!笑


少しずうずうしいところを除けば、本当に可愛い連中でした!!
また、あそびたいなぁ〜 子供に国籍の違いは関係ないのだなとつくづく感じました。


           ⬇︎出発した村から程近い凍った川の上で⬇︎


前回ブログ:北極冒険序章 いざ出発へ?!